翡翠(ひすい)

 

翡翠 〜東洋で古来より珍重された宝石〜

翡翠

翡翠(ひすい)は美しい石として、瑪瑙やその他の宝石と共に『玉』(ぎょく)と総称されていました。
翡翠には『硬玉』(ヒスイ輝石)と『軟玉』(ネフライト)の2種類があり、化学的にも鉱物学的にも異なる物質です。
軟玉は半貴石に分類されます。中国で売られている翡翠はほとんどが軟玉ですが、白く透明感のある最上質の物は『羊脂玉』と呼ばれ、中国では硬玉よりも価値が高いと言われています。

玉は中国では美しい石、宝石の総称で、古くから実用品や装飾等の材料として用いられてきました。玉の玉彫工芸は今でも中国の工芸品の重要な位置をしめています。また、玉の中でも特に翡翠が珍重されたことから、玉は翡翠の意味としても使われてきました。
草創期の玉器には石英や滑石も含みますが、故宮博物院に収蔵されているような玉器のほとんどは軟玉と言われています。
18世紀(清の時代)以降、ミャンマーから硬玉が輸入されるようになると、鮮やかな緑のものが好まれるようになりました。なかでも高品質のものは琅カン(ロウカン、カンは玉へんに干)と呼ばれ珍重されています。台北故宮博物院にある有名な白菜の彫刻は硬玉製となります。
琅カンは中国語で青々とした美しい竹を意味し、英語ではインペリアルジェイドと呼ばれます。これは西太后が熱狂的な収集家であったことに由来すると言われています。


玉細工

玉細工作品

玉細工とは、玉石を材料として細工された物です。
岫玉(遼寧省鞍山市岫岩満族自治県に出産する玉で、中国歴史上の四大名玉の一つ)、メノウ、密玉(別称河南玉、河南省の密県の名物で名づけられます)のほかに、翡翠、青金石(不透明、半透明で、青色或いは緑色の石です)、クジャク石、サンゴ、水晶、芙蓉石、木化石なども玉石材料としてよく使われています。
中国は世界でも主要な玉石の産出国と言われています。発掘の歴史も長く、玉の分布地域も極めて広く、玉の埋蔵量も豊富です。
一番有名な玉の産地は新疆ウィグル自治区のホータンです。ホータンの玉は埋蔵量が豊富で、色合いが鮮やかで、品質が最も良く、値段も最高で、中国の古代から、玉細工の重要な材料になりました。そのほか、甘粛省の酒泉玉、陝西省の藍田玉、河南省の南陽玉と密玉、遼寧省の岫岩玉なども玉細工によく使われ材料です。

玉そのものは亜鉛、鉄、銅、マンガン、マグネシウム、コバルト、セレン、クロム、チタン、リチウム、カルシウム、カリウム、ナトリウムなどたくさんの微量元素を含むので、外科での治療効果が抜群と言われます。
かつて玉は、我々の先祖が病気の予防と治療の切り札として用いられてきたと言う事です。
薬物学で言うと、長期に自然鉱物を身につけると、体に足りない微量元素を補給することができ、また吸収もできると言われ、体に余分な微量元素を排泄したり、体に特有の正常値を保つとも言われます。
玉石で作った保健用の製品と言えば、玉の枕、玉のクッション、ボール、マッサージ器、玉の杖、玉の櫛などがあります。


河南玉翡翠彫刻『寿比南山』

河南玉翡翠『寿比南山』

産地:中国河南省 重量:1800kg
河南玉は独山玉とも言い、中国河南省南陽県の独山で採掘される玉翡翠で、産出量は多くありません。
上品な緑色のものが多く、稀に象牙のような艶のある白玉も産出されます。その美しさから中国四大名玉の一つに数えられます。
緑色と白色が層をなし、一つの原石として産出したこれほど大きな河南玉の産出は稀で、石の層の配色を利用し、寿比南山(長寿を祝う)を表現しております。
南山とは秦嶺終南山のことで「寿比南山」の解釈は、南山のように寿命がとても長いことを表し、人の長寿を願い祝う時に用いられます。