象嵌(ぞうがん)って何だろう?
象嵌(ぞうがん)〜かたどる・はめる〜
象嵌(象眼)は、工芸技法のひとつとなります。
象は「かたどる」、嵌は「はめる」と言う意味で、一つの素材に異質の素材を嵌め込む技法を指します。金工象嵌、木工象嵌、陶象嵌等があります。
その中の金工象嵌は、シリアのダマスカスで生まれ、シルクロード経由で飛鳥時代に日本に伝わったとされています。
江戸時代には京都などに優れた職人が多数生まれ、日本刀の拵えや甲冑、鏡や根付、文箱、重箱などに腕を振るいました。
素材としては金属だけではなく、彩色した木材や骨片、貝殻、陶磁器なども用いられます。
象嵌として有名なものに螺鈿(らでん)があります。
螺鈿とは薄く削った貝殻をはめ込む技法で、「螺」は貝のことで、「鈿」は象嵌のこととなります。
また、様々な色調の木材をはめあわせて絵の板を作り、それをカンナで薄く削り、和紙に貼り付けたものは、 いわゆる「寄木細工」の技法のひとつで、木象嵌(もくぞうがん)と呼ばれます。
大型彩石象嵌屏風
色々な天然石の色・模様を生かし削り磨きをかけ、漆塗りの板の上に組み合わせ貼り合わせて、人物、樹々や風景を描いた大型彩石象嵌屏風となります。
『楊貴妃物語』は108枚75m、『西遊記』は61枚50mと大きく、石の素材を見事に生かし仕上げています。
(人物の髪、目等、一部色付けした部分はありますが、ほとんどは天然石を生かしたものとなります)