中国象牙彫刻の特徴

 

中国の象牙彫 〜優美な造形、華麗な装飾〜

象牙は中国でも古来より珍重されてきました。歴代の王朝は、象牙をすべて皇室への献上品にしたほどです。
明、清代以降、近現代の象牙彫の職人は伝統的な技法を継承し、さらに新しい技術も取り込んで、素晴らしい作品を作り上げています。
立体彫刻、浮き彫り、透かし彫りなどの技法は、優美な造形や華麗な装飾、輪郭の力強さといった特徴があり、その表現力の豊かさには目を見張ります。

繊細かつ美麗な中国象牙彫刻

清時代になると、象牙彫は江南派と広東派という2派に分かれました。
江南派の職人が作った作品は特別かつ斬新な彫りで躍動感にあふれ、広東派の作品は細密な彫刻が高い評価を受けています。

当館に展示されている作品は、題材として中国古典文学を扱っているものを中心に、長寿、福寿、天上界(神々)などを表現した縁起物が多くございます。

象牙多層球

中でも象牙多層球は芸術品として高い価値があり、中国独特の彫りとして有名です。